結婚生活1年で赤ちゃんができなければ不妊症と呼んでいます。
不妊カップルは5.5組に1組とされ、今後も増加することが予測されます。
不妊症の原因はさまざまですので増加傾向にある原因も多岐にわたりますが、晩婚化、クラミジアなどの性感染症の蔓延、あるいは環境ホルモンによる生殖機能の悪化なども取りざたされています。
現在不妊治療にもいろいろな段階がありますが、いま一番代表的な不妊治療は体外受精でしょう。
体外受精による妊娠は1978年イギリスで世界で始めて赤ちゃんが誕生して以来発展を続けており、現在の不妊治療は体外受精を中心に回っているといっても過言ではありません。
私の考えでは不妊症のカップルは簡単に言えば次のような3つのグループに分かれると言えると思います。
すなわち
- まだ体外受精をしなくても充分妊娠が望めるカップル
- 体外受精をしなければ妊娠の可能性が乏しいカップル
- 体外受精でも妊娠は困難と思われるカップル
です。
もちろんこれらのグループははっきり線引きできるものではありませんが、女性の年齢が40歳を超えると妊娠の可能性が極端に低下しますので、「体外受精でも妊娠は困難と思われるカップル」になってしまわないうちに方針を決めて対処することが大切です。
逆に「まだ体外受精をしなくても充分妊娠が望めるカップル」に体外受精を勧めるようなことは避けなければなりません。現在体外受精の適応にはやや曖昧な解釈もあり、安易に体外受精を勧める風潮もありますが、患者様ご自身が納得いくまで説明を受けたうえで方針を考えるという態度が重要です。